電波を初送信! 無線女子のオペレート勉強会
勉強会の感想
● 講師 JO1GST 高橋さん
面白い勉強会の声が掛かった.CQ出版社の女性編集者からである.
女性のアマチュア無線を増やそうという趣旨である.
私はかねがねアマチュア無線界に女性が少ないことに違和感を持っていたので,簡単にその話に乗った.
もともと,女子勉強会とはCQ出版社が企画した女性が3アマを取る勉強会である.
結局,全員3アマを取得しコールサインを持ったけど,実際の交信をどうしたらいいか分からない.
私は,そのアドバイスをする役である.
金曜日の夜19時から始まった.私はビギナー用にパワーポイントを作っていった.
「さあ,ハムライフを始めよう」というプレゼンである.
職場で元になるデータを持っていた人がいて,自分用に直していいと許可をもらったので,私が強調したいところを付け加えた.
これを持っていたから,心強かった.
私はJARLで働いているので裏事情を知っている.
現状の話を混ぜながら若い女子たちと無線についての雑談となった.
昔と今は違うだろうと思いながら,私が免許を取ったとき,アンテナの上がっているご近所の家を訪ねて交信の仕方を教えていただいたこと,最初に声を出したときのドキドキ感などを話した.
女子たちは5名であった.
真新しいハンディ機を持っていたので,二手に分かれて,周波数チェックをしたあと,テスト交信をした.
自分のコールサインをフォネティック・コードを使ってはっきり言うこと,相手のコールサインを聞き取ること,スタート時間を書き取ること,レポートを交換することなど,基本的なことを1つ1つ教えた.
女子たちは無線機から声が聞こえること自体に感動していた.
会議室は女子の歓声でいっぱいになっていた.
この人たちはすぐに慣れて,無線界に飛び立つのだなぁと微笑ましくもあり,頼もしくもあった.
アマチュア無線は,普段出会うはずのない人に会えるのが魅力の1つである.
多くの人と交信をし,相手局が持っている豊かさを吸収し,人間性あふれた女子になってほしい.
これからの長い人生,つまづくこともあるだろう.
そのとき,アマチュア無線の仲間がきっと心の支えになってくれる.
私がそうであったように.
女子たちは現在,それぞれの分野でバリバリと働いている.
そんな彼女たちが,仕事を終えて,勉強会のために集まってくれた.
21時で終わる予定が22時になった.
「女子力が高い」という言葉がある.
女らしさを問う言葉であるのでジェンダー研究者からは問題視されている.
しかしアマチュア無線界の女子力とは,彼女たちのようなたくましい女子の底力をいうのだ.
彼女たちがアマチュア無線界で力を発揮できるよう,できるだけサポートしたい.楽しそうに帰っていく姿を見てうれしかった.
私にとって,この勉強会は,自分自身のハムライフを振り返ることとなった.
人に教えることは,自分を知ることである.
いい経験だった.
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