今月のYouTube「デビットボウイ,未来を予言する」
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CQ ham radio 2019年8月号の連載「FROM USA」では,次の内容を紹介しています.
● フリードリッヒスハーフェンの“HAM RADIO”
● 米国独立13州スペシャルイベント
● サンアントニオ・ラジオクラブ設立100周年
● ARDFコーディネーター交代
● 2mバンドの大西洋横断通信新記録
【今月のYouTube】『デビットボウイ,未来を予言する』
21世紀に入ってから,アマチュア無線やインフォメーションテクノロジーの進歩には目を見張るものがあります.この20年間のアマチュア無線の世界の変化を予見している動画がないかと探していたところ,アマチュア無線ではありませんが,デビットボウイ(ミュージシャン,1947年~2016年)が,1999年に現在のインターネットの発展やSNSの登場などを的確に予見していたと思われる動画が話題になっているのを見つけました.
〈JE1HYR〉
【David Bowie predicted in 1999 the impact of the Internet in BBC interview】
イギリス英語のインタビューなので、私には聞き取りにくかったのですが、おおむね以下のような内容でトークが始まります。(0分20秒ぐらいから)
「インターネットの世界は非常に興味深く、もし自分が90年代に若者だったら、音楽よりインターネットに夢中になっていただろう。」
これに対し、インタビュアーのジェレミーパックスマンは、懐疑的で興味なさげに受け答えを続けます。(1分35秒ぐらいから)
「誰でも言いたい放題、やりたい放題になる社会がなんだっていうの?」
これに対しボウイは以下のようにトークを続けます。(1分50秒ぐらいから)
「アーティストとオーディアンスの間の関係が崩れていくプロセスが興味深い。例えば60年代ならビートルズやヘンドリックス、50年代ならプレスリーとミュージシャンがブランドとして存在していて分かりやすかった。これが70年代から変化してきていると思うのだけれど、これからはアーティストとオーディアンスは気の合った仲間としてコミュニティーを形成するようになる。アーティストとオーディアンスの間にあったプレート(バリア)が無くなっていくのだけれど、インターネットがその役割を担うと私は思う。」
インタビュアーのパックスマンはさらに懐疑的に続けます。(4分25秒ぐらいから)
「誰もが好きなことを言えることがなんだっていうの。若者たちの反骨の精神が音楽に注ぎ込まれて起きた革命的変化が、インターネットで起きるとは思えない。」
それに対しボウイは反論します。(3分45秒ぐらいから)
「70年代までは、みんな一元的に造られた社会の中に生きていると感じていた。その社会が壊れ始めていて、現在は1つの質問に、2つ、3つ、4つ、5つの答えがある時代になっている。インターネットというメディアがこういった社会現象を引っ張っている。」
ここでパックスマンはチャチャを入れます。(4分35秒ぐらいから)
「でもインターネットなんて電話の発明と同じだよね、という人もいますけど。」
これに対し、ボウイも皮肉で返します。(4分40秒ごろから)
「その通り。その時の大統領が馬鹿なやつでね。彼はアメリカの各町に1台ずつ電話が配備されると言っていた。我々はまだ氷山の一角しか見えていないのだけれど、これからの社会においてインターネットがどうなっていくか、そのポテンシャルは想像もつかない。快感なのか、恐怖なのか、何か得体のしれないものの鼻先にいる感じだ。」
パックスマンは、さらに懐疑的に挑発します。(5分20秒ぐらいから)
「でもインターネットってツール(道具)でしょ?」
ボウイは反論します。(5分25秒ぐらいから)
「いや違うと思うよ。地球外生命体のライフスタイルのようなものだ。ちょうど今地球に降り立ったばかりのエイリアンだ。」
パックスマンは、少し歩み寄って続けます。(5分35秒ぐらいから)
「インターネットは新しい伝達方法に過ぎないと思うのだけれど、あなたはそうではないと言うの?」
それに対しボウイは次のように答えます。(5分35秒ぐらいから)
「その通り。今後は、コンテンツとコンテンツが持つ意味が大事になるということだ。今後それらの持つ意味は、我々が今考えているものから、大きく違ったものになるはずだ。インターネットにより、ユーザーとプロバイダーの間の相互交流はものすごく活発になり、我々が今考えているメディアという概念は、ぶっ壊されるに違いない。」
現在のコンテンツをプロバイダーとオーディアンスが直接やり取りできるSNSの世界や、現在のメディアが持つ課題を、20年前にデビッドボウイが予見していたことがうかがい知れる動画です。
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